中華そば

麦右衛門

20134月にオープンしたばかり。無添加で化学調味料不使用、「どんな年齢の方にも安心して食べてもらえる中華そばをつくりたい」と、使う素材や味にもこだわる中華そば専門店。製麺してから45日寝かせる自家製麺は、もっちりしていてコシがあり、見るからにつややか。中華そばでありながら和風仕立てにこだわったスープとのコンビネーションは抜群。一番人気は、麦右衛門中華そば。麺の大盛りは無料。

  

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店主の宮本和朗さん、奥様の幸子さんに、お話をうかがいました。

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宮本さんが大切にしている言葉。

彼も人間、我も人間

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●オープンしたのは、いつですか。

2013年4月12日、半年くらい前のことです。料理の道を選んだきっかけは…幼いころから、おいしいものを食べるのが好きだったから。「人から評価される人間になりたい」と強く思って、高校卒業後は姫路の割烹料理店に就職しました。和食を基礎から学ぶうち、勤めていた和食店が新事業としてラーメン店を経営することになりました。いま思えば、その店の担当になったのがターニングポイントだったのかも。店長に連れられて食べ歩きを重ねるうちに、ラーメンの魅力にはまってしまったんです。料理の世界に入ったころは熱心だったのに、しだいに熱意が薄れつつあることに気づいたことも大きかった。ラーメンの世界は、有名店では手づくりの味を守っていて、店主の心意気にふれたお客さんが足を運び、おいしいと喜ばれている。だから、この道で生きていこうと決めたんです。料理の世界に飛びこんで…今は32歳なので14年になります。あはは、まだまだですね(笑)。

 

●「麦右衛門」という店名も、和風なんですね。

だしのきいた和風の要素が当店の特徴であることを、感じてほしかったからです。麦右衛門の麦は、小麦の麦。右衛門は…特にないんですが、漢字ばかりが並ぶとかたいので、やわらかいイメージにしたかったんです。ほら、ドラえもんみたいな響きでしょ(笑)。

●中華そばなのに和風のスープ、新鮮でした!

国内産の朝締め若鶏と、北海道産の真昆布、カツオやサバなど4種類の節(ぶし)、中羽(ちゅうば)という煮干しなどを使用しています。鶏などのけもの系のスープと乾物系の和風だしを合わせる、ダブルスープと呼ばれるスタイル。ラーメン業界では王道になりつつあるので、特に盛り上がっている東京のラーメン業界ではあたりまえの味かもしれませんが、この界隈ではめずらしいはず。化学調味料は一切使わず、無添加。天然素材ならではの自然のうまみを、そのまま提供しています。

 

●ずいぶん、手間ひまがかかりそうです。

ええ、けっこうかかります(笑)。料理の道に入ったころは、料理をていねいにつくりたいと願っていました。けれど景気が下がり、物価が上がるという世の中の流れから、合理的で効率のいい方法ばかりが求められるようになってしまって。会社としては売り上げや利益が大切なので、利益重視になってしまうのは仕方ないんですけど…そういうこととは関係なく、僕は中華そばをつくっていきたいです。

 

●太子町でお店を開いたわけは?

以前、働いていたお店が太子町に出店し、7年くらい働いたので親しみを覚えていました。当時から太子町の方々にお世話になっていたので、第2の故郷のような…運命的なものを感じたんです。ご近所の方がやはり多いのですが、年齢層はファミリーや年配の方まで幅広く、たつのや相生からも来てくださいます。おかげさまで、何度も足を運んでくださるリピーターもおられます。「ラオタ」と呼ばれる、ラーメンに詳しい方も来られますね。まぁ、僕もラオタなんですけど(笑)。宣伝は、僕のブログだけです。

●一番人気のあるメニューは?

やはり、麦右衛門中華そば。スープにこだわっていることはお話ししましたが、麺も自家製。自家製麺は奥が深く、日によってできばえが異なります。麺についてはまだまだ修行中なので、偉そうなことは言えませんが…どこかから仕入れると保存料や添加物もついてきてしまう。そうなると、自分でつくるしかないんですよね。

●奥の部屋にあるのは、製麺をする機械ですか。

はい。まず、ミキシング(練り合わせ)をおこなって、粉と水、卵を混ぜ合わせます。粉をかたまりにして、1日熟成させ、ローラーでのばします。この、のばす工程でコシが生まれるんです。かたまりを線状にカットして4日間、冷蔵庫で寝かせます。つまり、当店の麺がお客さまの口に入るのは4日後。第1熟成工程を入れると5日後ですね。製麺する量は、まだあんまり多くはなくて…1日に40~50食分くらいかなぁ。

 

●麺の太さにも、こだわりが?けっこう太めですよね。

もともと僕は、太い麺がすき。麺とスープには相性があって、1杯の中華そばを完成させるために、あのスープにはこの太さがぴったりだと判断して、太さを決定しました。ブレンドしている小麦の性質と、水を多めに加えることで、ツルツルとすべりやすい麺になっています。当店の中華そばはこれで完成ですが、別のスープを開発する際には麺も改良していく予定です。次は、つけ麺をつくりたいなと。

●つけ麺!いいですね。今の味になるまで、どのくらいかかりましたか。

半年くらいでしょうか。8割程度までは完成するんですが、残り2割の微調整がむずかしかった。デリケートなバランスがあって、何かひとつを変えると、全部がずれてしまうんですよね。スープに合わせる、いろんな素材を醤油で2日間漬け込み、火を入れて、10日間熟成させた元ダレも、細かく計量していくうちに32.8gという細かい数値になりました。あれこれ試していくうちに、今の味が完成したわけです。

 

●チャーシュー、おいしかったです。メンマのサイズにも驚きました!

ありがとうございます。低温調理という方法でつくっていて、簡単に言うとローストビーフの豚バージョン。つまり、レアチャーシュー。インパクトを出すために、厚めにスライスしています。大きなメンマも、1からつくっているわけではないのですが、スルメみたいな乾燥メンマを2日間ほど水に漬けて、自分で味つけしています。

●のれんの文字が、すてきですね。奥様の手づくりですか。

いえいえ。もう90歳近い、僕のおばあちゃんがつくってくれるんです。このランチョンマットがあると、泣いていたお子さまが泣き止んでじっと見たりするので好評なんですよ。クロスステッチという刺しゅうだそうで、図案さえあれば何でもできるみたいです。おばあちゃんの作品は僕のブログでご紹介していますので、ぜひご覧くださいね(笑)。

 

●未来のビジョンを、聞かせてください。

お店を始めたばかりなので、大きなことを語るのははずかしいんですが(笑)。この店を始める前に、中華そばの研究をしようと「ラーメン学校」へ行きました。製麺機の会社が運営していて、調理技術の他、店舗のマネジメントなど経営に関することを学ぶんです。講義の中で「コンセプトを決める前に、自分の使命を決めなさい」と教わりました。「命の使い方」が使命にあたり、「使命を明確にしてから、自分自身やお店のコンセプトを決めなさい」って。僕は生まれも育ちも兵庫県姫路市の飾磨というところで、ここ太子町は地元のようなもの。店を開くにあたって、いろんな方々に助けていただいたので、この地域の役に立つお店にすることが僕の使命。さらに、この地域のために麺専門店として何ができるかを考えると、安全で健康なものをお出しすること、この界隈にないおいしいものをつくることがコンセプトなのかなと。だから、産地のこだわりはないのですが、国産であることにはこだわっていきたい。安全面を考えると、外国産より国産がいいと思うんですよね。化学調味料を使わない、無添加の食べ物を提供することにも徹底的にこだわっていくつもりです。

●ところで、趣味は何ですか。すきな食べ物も教えてください。

今は、とにかく健康です。早寝早起きを心がけ、健康的な生活を送っています。和食店に勤めていたころは、かなり不健康な毎日でした。就寝は夜中の3時ごろ、朝は9時に起床。食べ物屋で働いていたにも関わらず食生活は不規則で、タバコを吸い、運動も一切しなかった。けれど、この店を始めるにあたって、健康になろうと決めたんです。味覚で勝負するため、タバコもきっぱりやめて。この店を開くとき、研究という名目で試食などを重ねた結果、15kg太ってしまいました。東京のラーメンが大好きで、開店前に4回ほど足を運んで食べ歩きをしたんですよね。ダイエットで7kgほど落としたのですが、まだ足りない。食事はカロリー計算をするようにして、毎晩ジョギングもしています。すきな食べ物は…最近、シャインマスカットというぶどうにはまっています。けっこう高価なので、毎日ちょっとずつ食べるのが楽しみです。

 

●すきな言葉を教えてください。

たまたま聞いた言葉で、「彼も人間、我も人間」というものです。どんなにすごい人物でも同じ人間なのだから、がんばったら自分にもできる、と言い聞かせています。

●今後、チャレンジしていきたいことは?

朝から晩まで時間をかけて仕込み、1杯の中華そばに自分のすべてを注ぎ込んでお出ししているので、「おいしかった」と言ってもらえるのが一番うれしいですね。中華そばは非常に奥が深い食べ物で、スープと麺だけでは成立しない。1つ1つの食材が調和して、はじめて完成するんです。知れば知るほど、個性を主張できるなぁと実感しますし、進化し続ける料理だなと。中華そば以外のメニューにも挑戦しながら、中華そばには一生かけて取り組みたいですね。

 

ありがとうございました!

 

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中華そば 麦右衛門

住所:〒671-1561 兵庫県揖保郡太子町鵤496-1

Tel:090-9549-8121

営業時間:11:30~16:00、18:00~21:30

定休日:水曜

HP:http://profile.ameba.jp/mugiemonsoba

  

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