手打ちうどん・そば

やない亭やまなか

太子町で30年続く、うどんとそばの専門店。うどんは毎朝手打ちしており、姫路や佐用、たつのをはじめ、口コミで加古川や高砂などから来られるお客さまも。ご主人のひらめきから生まれた名物の「やないカレーうどん」はカレースープとうどんの下にとろろ、ごはんが隠れた4層仕立て。とろみがあって、後味はあっさり、女性でも完食できると評判の味わい。とても仲のいいご夫婦が、やさしい笑顔で迎えてくれる。

  

BACK

 

店主の山中和義さん、満子さんご夫妻に、お話をうかがいました。

…………………………………………………

山中さんが大切にしている言葉。

人は人、自分は自分。

…………………………………………………

 

●うどん屋を始めたきっかけを教えてください。

初めは、うどん製造販売会社が始めた「やない亭」に勤めていました。9人の従業員がのれんわけをしてもらい、僕は「やない亭やまなか」という店を出したんです。当時は10店舗あったのですが、「やない亭」の看板を掲げている店は、今や当店だけ。特にうどん屋がやりたかったわけではなくて、もともと僕は和食の職人。九州出身で、18歳の時に大阪で修行することにしたのですが、太子町に同級生がいたので途中下車したところ、「1年ほど、ここにいたら」と誘われた(笑)。すぐ働けて寮があるところ、という条件で面接に向かった先が、うどん屋でした。1年くらい働いた後、大阪で修行しようと考えていたんですが…2ヵ月もたたないうちに奥さんと知り合ったんです(笑)。2014年1月で、一緒になって41年になります。

●ずっと、この場所でお商売を?

このお店は、2013年の12月で30周年。以前は太子町東南という地区で、小さなお店を4年ほど営んでいました。思えば、僕たちはとても人に恵まれていたんですよね。家主さんが「初めて商売をするんだから」と畑をけずって駐車場をつくってくださったり、PTA会長としていろんな会合でうちを利用してくださったり。近所の人たちは「若い子ががんばっているから」と出前をとってくださいました。地域の方々に、本当によくしていただいて…だから僕たちは今日まで、がんばってこられた気がします。

 

●お客さまは、太子町の方が多いのですか。

はい。姫路や佐用、たつのの方からもいらっしゃいます。僕はインターネットのことは全然わからないけれど、加古川や高砂など遠方から「ブログを見て来ました」とおっしゃる方も。昼間はサラリーマン、夜は家族づれが多いです。

●「特製・名物 やないカレーうどん」について、教えてください。

これぞ!という目玉商品がないかなぁと考え続けた末に生まれた、4年ほど前からの看板商品です。カレールウを練って、だしでのばすんですが…以前はルウを1度つくったら2日~1週間くらいはもっていたのに、今は1日に3回くらいつくることも。うどんは毎朝、手打ちしています。平日なら100食くらい、土日は120~130食くらいかなぁ。そばは信州から仕入れているんですが、圧倒的にうどんの注文が多いですね。

 

●カレーうどんの中に、とろろとごはん…衝撃的でした!

ごはんの中にキムチを入れたり、いろいろ試した末に行き着きました。テレビや新聞などでアイデアの種みたいなものを見つけたら、僕はまず試してみるんです。うどんのだしもだれかに教わったものではなく、自分で考え出した味。「やない亭」の味を変えたので、社長賞をもらいました。名古屋風の味つけだったため、関西の、この地域に合っていなかったんです。僕は何かを突き詰めたりしない方なので…大切なのはひらめきかなと。いいアイデアはないかなと常に考えて、探し続けることも重要ですね。

●固執しないというこだわり、すばらしいですね。

何かにこだわっているとしたら…だしにはこだわっています。4年ほど前に「矢内食品」が急に倒産した時は、困りましたね。だしの素であるカツオや昆布を仕入れていたんです。材料が変わると同じ味は出せないので、その時は本当に悩みました。あわててあちこちから調達したけれど、もとの味へもどすのに半年くらいかかってしまって。試行錯誤しながらも店は開かないといけませんから、それはもう大変でした。

 

●やないカレーうどん以外のおすすめは何ですか。

寒い季節は、鍋焼きうどん。うちのうどんは、煮こめば煮こむほどおいしくなるんです。とろっとしてきて、煮くずれない。うちの麺は長いと言われることが多いので、お子さまが来られたらはさみを添えて、カットしてもらっています。

●やりがいを感じるのは、どんな時ですか。

単純なことかもしれませんが、「おいしかった」「ありがとう」と言ってくださる、お客さまの笑顔が最高にうれしい。若い子たちが「めっちゃうまそう!」とワイワイ言いながら食べてくれて、「ごちそうさま!」と元気よく帰っていく時もうれしくなります。きれいに完食してもらえた時も…よかったなぁと思うんですよね。お店を30年もやっていると、昔なじみのお客さまが減っていく一方で喜ばしいことも多々あります。よく食べに来てくれていたカップルが、結婚して、お子さんを連れて来店してくださったり。高校時代に部活の後に立ち寄ってくれていた男性が今の奥さんとつきあい始めたころ、「ここのうどんが俺のソウルフードなんや」と彼女の誕生日に来てくれたという話もあります。小さなお子さんを連れたご家族から「うちの孫は家では食が細いんだけど、ここの丼なら食べてくれるから」と言われたことも。「ここのうどんを食べてから、うどんが好きになりました」とか…本当にありがたいことに、そういうできごとが多いんですよね。もういい年なので、そろそろやめようかと思うこともあるのですが…楽しみに通ってくださるお客さまもいらっしゃいますし、まだしばらくはやめられそうにありません(笑)。

●趣味は何ですか。

一番は、カラオケです。ゴルフもちょこちょこ、お酒はやめられませんねぇ。休日は夕方まで、奥さんの運転手になります。晩は僕の時間なので、ひとりでカラオケに出かけます。本も昔から好きですね。中学時代にコナン・ドイルにはまって、松本清張、森村誠一…池波正太郎の鬼平犯科帳シリーズも好きです。趣味ではないのですが、うちにはミルクという犬がいるんです。僕が名づけたんですよ。かわいいでしょ(笑)。

●座右の銘を教えてください。

「人は人、自分は自分」という、親父から言い聞かされていた言葉です。よそがどんなにぜいたくしようと、何をしようと、うちにはうちのやり方や器があるというもの。「人生、なるようになる」とも思っていますね。どんなに悩んでいても、ひと晩眠れば気持ちを切り替えることができます。

●今後、挑戦したいことは何ですか。

香西かおりの「居酒屋 敦賀」を覚えたい(笑)。仕事は…真剣にやりすぎると疲れてしまいますよね。息子がいるので「継いでもらわないの?」と言われることもありますが、昔とは時代が違いますから本人が好きなことをすればいいし、サラリーマンの方がきっといい。古くから続く老舗なら、店をたたむことに抵抗があるかもしれませんが、ここは自分でつくった店なので執着心はないんです。うどん屋は体力的にも相当きつい仕事なので、将来的には居酒屋にしてもいいし、好きなカラオケ屋に転向するのもいいなぁと。これからも体が続く限り、働き続けたいと思っています。あちこち、ふたりで旅行もしたいですね。

 

ありがとうございました!

 

………………………………………………………………………………………………………………………

やない亭やまなか

住所:〒671-1535 兵庫県揖保郡太子町蓮常寺298-2

Tel:079-277-3075

営業時間:11:00~21:00

定休日:火曜

  

TOP